Sunday, May 21, 2006

【劇画】家畜人ヤプー

【劇画】家畜人ヤプー 辰巳出版 石森章太郎(石ノ森章太郎)・シュガー佐藤

白人大貴族 白人小貴族 白人平民 黒人奴隷 黄色家畜人
鬼才沼正三の加虐被虐性愛SF小説を石森章太郎が昭和40年代に描き上げた劇画。

こちらの劇画が凄いところは石ノ森SFとして破綻させずしっかり浄化さている所。難解な小説を巧いこと画で具現化されいるのでこちらを開いてから小説版へ挑むのも一つの手だろう。

江川版も良いと思うが完成度では断然こちらが上。自分の世界観を壊さず表現しきっている本作は石森章太郎がバックボーンで抱えているスキルの凄まじさを垣間見せられる。いや、むしろMである沼田の世界観を世間に伝える表現力という点で上回っていると思う。

現在新品で手に入る加筆された原作小説は昭和45年に発売された都市出版と比べ残念ながら作品の緊迫感が落ちている。発表当時に近い空気感を味わえるこの石森章太郎版は本当に貴重な存在だと思う。シュガー佐藤が画を担当する「劇画 続・家畜人ヤプー」などは余力ある人以外薦めない。一巻(石森章太郎版)だけ所有すれば良い。

見つけたら迷わず購入して良し。個人的には1500円くらいなら買いだと思う。

評価:★★★★★ 5

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