Thursday, June 24, 2004

【小説】ママがプールを洗う日

ママがプールを洗う日

ピーター・キャメロン:著
山際淳司:訳

ピーター・キャメロンの短編集。久々に本棚から取り出し読み返しました。秀作です。ピーター・キャメロンの過剰な繊細さと故山際淳司の爽快感ある訳が本当に巧く相乗効果を出しています。日常的にある当事者だけの不幸。他愛の無いことにイジケるキャメロンの描写を山際は80年代のサリンジャーと表しており当時「けっ!」と思ったのだけれども今読み返すと「そうだね。軽薄な時代のサリンジャーかもね」と思えてくるから不思議なモノです。まぁサリンジャーの悩み自体、時代に関係なく「軽薄なイジケ」そのものなんですが。

評価:★★★★☆ 4