Monday, May 22, 2006

【映画】恋に唄えば♪

プロデューサー・原案:一瀬隆重
監督:金子修介
出演:優香 玉山鉄二
竹中直人 篠原ともえ 古田新太
衣裳デザイン: 伊藤佐智子

しまった!これは映画館で観るべき作品だった・・・衣装と演出のゆるさが良い案配。竹中直人と篠原ともえの暴走を巧いこと使いこなしています。優香ってこんなに魅力的だったんだ・・・ミュージカル・コメディ好きとしては失笑シーンもバリバリあるんだが良い感じのチープさだと思う。

金子修介ブラボー!

主演の優香が殆ど踊らないところとキッスが遠慮気味なので-1。
テレるなよ!ヘタでも踊るべし!

恋に唄えば♪

評価:★★★☆☆ 3

【映画】RED SHADOW 赤影

監督:中野裕之 原作:横山光輝

忍者ではなく NINJA
赤影ではなく RED SHADOW
映画ではなく 映像

PV瞬発映像として考えればクオリティ高い方だと思うが本作は映画。音楽デカ過ぎ・台本幼稚すぎ・台詞陳腐すぎ。なれ合いで有名人を使いすぎて制御できずみんな好き勝手。キャラクターまったく定まらず。いらないデテールが多く2時間続けて観る緊張感を保てない。趣向の問題かもしれないがカラーフィルターでトーンを記号として使っている割には意味が無さすぎて興ざめした。

とにかくすべて過剰すぎる作品だ。

救いは麻生久美子と舞の海秀平に新たな魅力を感じた所。

20分くらいの短編シリーズ5本上映とかの方が向いていただろうな。
中野裕之氏は好きな作家だが彼はPV・環境映像向きだ。

評価:★☆☆☆☆ 1

【映画】ザ・ロイヤル・テネンバウムズ


原題:The Royal Tenenbaums(2001 米)
製作総指揮:ラド・シモンズ オーウェン・ウィルソン
製作:ウェス・アンダーソン バリー・メンデル スコット・ルーディン
監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソン オーウェン・ウィルソン
出演:ジーン・ハックマン アンジェリカ・ヒューストン グウィネス・パルトロウ 
ベン・スティラー ルーク・ウィルソン オーウェン・ウィルソン
ダニー・グローバー ビル・マーレイ

かなり秀作な一本。怪優オーウェン・ウィルソンと彼の懐刀ウェス・アンダーソン監督。二人の才能が超豪華キャストを実現させ、かつアクター一人ひとりが最適な際立つ個性を与えられている。何回観ても新しい発見がある。特にテネンバウム家三兄弟がそれぞれの個性を象徴するためにスポーツウェアブランドの服装を各々与えられいるのには関心し笑った。

オーウェンが本作の製作総指揮・脚本・役者と大活躍。配給された2001年は長男役のベン・スティラーが製作総指揮・監督・脚本・主役を務めた「ズーランダー」も制作されており、こちらでもオーウェンはベンのライバル役として才能をいかんなく発揮している。

ベンとオーウェンの名ドタバタコンビ6作目?の本作。実生活でも親友である二人が絡んだ作品の中でも、唯一オーウェン側からのアプローチである本作はやはりハズせない逸品だろう。

評価:★★★★☆ 4

【映画】ズーランダー



原題:Zoolander(2001 独・米・豪)
監督:ベン・スティラー脚本:ドレイク・サザー ベン・スティラー ジョン・ハンバーグ
出演:ベン・スティラー オーウェン・ウィルソン

ベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンのドタバタ名コンビがもう大暴れしまくりの爆笑アホ!バカ?コメディ。ベンとオーウェンがスーパーモデルでライバルの関係っちゅう設定だけでご飯おかわりできます。本作は細かいことをあまり言いたくないのです。面白いから観るべしです。(ヒトによってはクドすぎるようです)

補足:米国で放映された元ネタのTVドラマも観たいです。
Derek Zoolander University (1997) (TV)
Derek Zoolander: Male Model (1996) (TV)

評価:★★★★☆ 4

Sunday, May 21, 2006

【自伝】僕、はまじ

僕、はまじ(2002) 浜崎憲孝著 彩図社 価格:950円

ちびまる子ちゃんに登場する天然ボケキャラクター“はまじ”のオリジナル浜崎憲孝が自分の半生を綴った本。

正直、ゲットしたこと自体、魔が差したとか言えないのだが、まぁあのキャラそのものの方が現存されまるちゃん以降の人生について語られていることに「瞬発的に興味」をそそられたのであろう。

私としては戸川先生の真実は結構衝撃だった。さくらももこは自分のおじいちゃんがキツイ方だったから漫画ではやさしいおじいちゃんに差し替えたらしいし彼女らしい配慮なのかもしれない。

まぁ、さくらももこジャンキーから見たら有意義な情報が満載なんでしょう(ため息)

万が一このキーワード見て読みたくなり購入されたとしてもあっしは一切責任取れません。
一応面白かったと言っておきます(斜めから見てですが…)

…しかしこの本6万部も出てるんですか?

さくらももこ再婚報道に出演したはまじ(写真ナシ)

評価:★★☆☆☆ 2

【映画】ロックンロール・ハイスクール


ロックンロール・ハイスクール Rock 'n' Roll High School(1979/米)
製作総指揮:ロジャー・コーマン 製作:マイケル・フィネル
監督:アラン・アーカッシュ ジョー・ダンテ ジェリー・ザッカー
脚本:ジョセフ・マクブライド ラス・ドボンチ リチャード・ウィットレイ
原案:アラン・アーカッシュ ジョー・ダンテ
出演:P・J・ソールズ

B級映画の帝王ロジャー・コーマンが総指揮。RAMONESメンバーが唯一出演した学園青春ドラマ。故ポール・バーテル(デス・レース2000やフライパン殺人の監督)と彼の妻だったメアリー・ウォロノフ(女校長役)が夫婦で出演していたり、超低予算な製作費のため病んでしまったアラン・アーカッシュ監督が最後の15分間分を残して降板。代役として原案のジョー・ダンテ(グレムリンの監督)が監督を引き継いだという伝説があったり酢昆布のように色々伝説が出てくる。

でもそんなことよりやはりRAMONESですよ。彼らが学校をブチ壊せって学園で大暴れです。いやぁもうホントにチープで最高のロックンロール映画です。

評価:★★★★☆ 4

【劇画】家畜人ヤプー

【劇画】家畜人ヤプー 辰巳出版 石森章太郎(石ノ森章太郎)・シュガー佐藤

白人大貴族 白人小貴族 白人平民 黒人奴隷 黄色家畜人
鬼才沼正三の加虐被虐性愛SF小説を石森章太郎が昭和40年代に描き上げた劇画。

こちらの劇画が凄いところは石ノ森SFとして破綻させずしっかり浄化さている所。難解な小説を巧いこと画で具現化されいるのでこちらを開いてから小説版へ挑むのも一つの手だろう。

江川版も良いと思うが完成度では断然こちらが上。自分の世界観を壊さず表現しきっている本作は石森章太郎がバックボーンで抱えているスキルの凄まじさを垣間見せられる。いや、むしろMである沼田の世界観を世間に伝える表現力という点で上回っていると思う。

現在新品で手に入る加筆された原作小説は昭和45年に発売された都市出版と比べ残念ながら作品の緊迫感が落ちている。発表当時に近い空気感を味わえるこの石森章太郎版は本当に貴重な存在だと思う。シュガー佐藤が画を担当する「劇画 続・家畜人ヤプー」などは余力ある人以外薦めない。一巻(石森章太郎版)だけ所有すれば良い。

見つけたら迷わず購入して良し。個人的には1500円くらいなら買いだと思う。

評価:★★★★★ 5

Friday, May 19, 2006

【映画】ベイビー・トーク3 ワンダフルファミリー

だからワンダフル…まったく邦題ってヤツは(笑)

原題:LOOK WHO'S TALKING NOW!(1993)

赤ちゃんが大人びたトークがウリだった前二作に代わり今回は家族に加わった犬二匹がトークします。だからオープニングの受精シーンも今回はワンちゃん。

製作者は総入れ替えでエイミー・ヘッカリング監督唯一(失礼!)のヒット作を見事グダグダにしてくれてます。ヒット作終焉にみられる典型的なグダグダ感。逆にこのC級ノリが好きな人にはオススメかも。

マイキーとジュリーもすっかり赤ちゃんから子供に成長。マイキーに至ってはサンタに疑問を持つようにまで育ってます。見どころは赤ちゃんだった彼らの成長記録ダケだな。あ、この回のトラヴォルタは中年期への色気がありなんとなく好きです。

毎回お約束になっているジェームズ(トラヴォルタ)の就職問題に加えて今回はモリー(カースティ・アレイ)のリストラ問題があったりM&A絡みの話とか、あぁ1993年はバブル崩壊後だもんなと時代背景が浮かび上がって上映時期とは違う味が出てきてます。

そしてエンディングはこの当時カルト的に流行った天才チビっ子ラッパー ジョルディくんをムリやりエンドロールで唄わしてダメしめ(苦)

今回のレビューで初めて気がついたがワンちゃんの声はダニー・デヴィートとダイアン・キートンだっ!

評価:★★☆☆☆ 2

【映画】ナック

リタ・トゥシンハムの魅力満載!ナック

原題:The Knack... and How to Get It (1965/英)
製作総指揮:オスカー・レベンスタイン
監督:リチャード・レスター(ビートルズ映画やスーパーマンで有名)
脚本:チャールズ・ウッド(Help!の脚本)
撮影:デビッド・ワトキン
音楽:ジョン・バリー

出演:リタ・トゥシンハム
 (少女時代主演した“蜜の味”は秀作!見つけたら迷わず観るべし)
ロイ・ブルックス
マイケル・クロフォード(まぁ有名俳優だな)
ジャクリーン・ビセット(これがデビュー作)
シャーロット・ランプリング
 (マックス モン・アムール-大島渚・これがデビュー作)


ベスパやらモッズ(本当の)やら格好良かったロンドン(西部)が濃縮されている映画。写真はKnackに出演したときのジェーン・バーキン。自分の中では、リチャード・レスター代表作はこれ。1965年にはカンヌ映画祭でグランプリを受賞している。

主人公のリタ・トゥシンハムは“蜜の味”がベストだと思うが、Knackに漂うアッケラカンとした空気感は彼女が醸し出す独特のモノだろう。

独断で断言してしまうが、この映画は60年代ロンドンの風俗とリタ・トゥシンハムの空気感を味わうための映画である。どこで誰が出ているとか、オシャレな会話がどうとか…そんなもんリタ・トゥシンハムが「ふんっ」ってふて腐れた顔したら全て持っていかれちゃうのである。

現在の年を重ねた彼女も良いが、やはり少女期(蜜の味)から大人の女性へ成長していく彼女も結構魅力的なのである。

蜜の味と合わせて観ると彼女の魅力がわかって頂けると思います。
(2003/2/26 関心空間登録)

評価:★★★★☆ 4

【映画】ストリート・オブ・ファイヤー

ロックンロールな米国版「大映ドラマ」。ウィレム・デフォーは松村雄基ままだし。ダイアン・レインはこれがイチバン良いのではないだろうか?ウォルター・ヒル監督は「クロスロード」といい音楽モノ&エンターテイメント作品はカルトで良いねぇ。あ、両方とも音楽はライ・クーダーだ!

評価:★★★★☆ 4

Thursday, March 30, 2006

【映画】スパイキッズ シリーズ

スパイキッズ(2001)
スパイキッズ2失われた夢の島(2002)
スパイキッズ3-D:ゲームオーバー(2003)
フォー・ルームス(1995)

製作・監督・脚本:ロバート・ロドリゲス

世界中の子供達に送る子供主演のスパイ映画。

カルメン:おてんば。足くさい。
ジュニ:メカ好き。臆病者。

さえないホテル・ボーイ最悪の1日を4人の監督で綴ったオムニバス映画「フォールームス」3番目のエピソード「かわいい無法者」のキャストが原型のキッズ映画。

両作品の父親役アントニオ・バンデラスとロバート・ロドリゲスがブラシアップした。

【1作目】凄腕スパイだった両親を拉致された姉弟が救出に向かい大活躍するストーリー。テーマは思いっきり家族愛。ロドリゲスが放つキモ キャラ・スパイガジェット・カルメンとジュニの可愛さにヤラレまくり。カルメンとジュニも一作目では「フォールームス」に出てくる小憎らしさを引きずってます。

【2作目】姉弟の活躍でスパイキッズ部門が設立され立派な子供スパイになった。冒険活劇・姉弟のライバル・恋愛・自立・正義・女は強い・そして最後は家族愛とエピソード、スパイガジェット共にてんこ盛りの内容だった。カルメンとジュニの小憎たらしさはかなり抑えられ憎たらしさはライバル兄妹に。「フォールームス」の子供との共通点はジュニがグレゴリオに髪の毛を梳かして貰うシーン(バンデラスの即興らしい)と足くさいシーンだけとなった。

内容てんこ盛りなのに1作目、2作目両方とも制作費は3500万ドルと共通らしい。特に2作目は主要テーマ、主題歌をロドリゲス自身が作詞作曲、カルメンが唄っております。CGも二倍になったらしいが、押しつけがましさが無く好印象。しかしこれだけ子供が増えたらスタッフも大変だろうな。

【3作目】3なだけに3D映画・・・絵を見るとほぼ原型は留めておりません。クールでクレイジーなバーチャルリアリティゲームにカルメンがシルヴェスター・スタローン扮する悪役に陥れられるストーリーらしい。予告見るとなんとTRONチックなバイクが…うぉ〜コレは映画館で見なければ。

個人的感想としては1より2の方が子供映画としてレベルが上がった非常に珍しい作品だと思います。

追記:Spy Kids 3-D:GAME OVERはDVDを購入して観賞しました。いやぁこの頃のスタローンは良い味になって来たなぁ。1,2を好きな人にしか薦められないが「子供たちの夢(想像)をかなえる」という点において中々味のアル作品に仕上がってます。

評価:★★★★☆ 4

Monday, March 20, 2006

【映画】ゴジラ対メガロ

製作:東宝映像 配給:東宝 1973.03.17 
製作:田中友幸 監督:福田純 日本映画データベースより

アニメタッチでデカ目なゴジラ以外の怪獣デザインは格好良い。しかし70年代中期のハード路線な空気感に超ご都合主義なストーリーとけん怠期ゴジラのコミカルなスパイスが加えられてしまいラムネとよっちゃんイカをチャンポンして食したような気分にさせてくれる作品に仕上がってしまった。

万博年生まれの私は幼少時代がストライクなのでそこそこ好きな作品だ。ロケ地も見当ついて懐かしかったり。若い世代も、まぁ珍味として食せばそれなりに楽しめると思う。存分にヒマを持て余している人には良い作品かもしれない。

どこでも語られていないがジェットジャガーが制作される派手なシャッターの研究所は東京オリンピックのポスターなどで著名なフォトグラファー早崎治邸宅。

★3.5くらいあげたい所だが一般的常識で考えれば★2つくらいが妥当でしょう。

評価:★★☆☆☆ 2

Sunday, March 19, 2006

【アニメ】イーオン・フラックス

実写劇場版(ダメダメっぽい)上映のおかげで日本国内でもオリジナルアニメ版DVD-BOXが3/17より販売開始。

Aeon Fluxは米国MTVで放映されたアニメーション。1991年パイロット版、1992年5本の短編、そして1995年より約23分のエピソード全10話が放映された。監督・脚本・設定を手がけた在米韓国人ピーター・チョンは後にANIMATRIXに参加した。

初期の頃は特に主人公があっけなく死んでしまうエピソード多し。後期は独創的なエイリアン登場と奇抜なストーリー展開にシフト。そして全話を通じてシュールな構図の作画が相乗効果になり異様な空気を醸す作品に仕上がっている。

個人的には面白く刺激的なアニメーションだが視聴者を突き放した展開が多いので正直ぶっ続けで何話も観続けるのはシンドイ。しかし独創的で突き抜けた作品なので興味ある方にはお薦めします。


Aeon - Flux animation


評価:★★★★☆ 4

Monday, February 28, 2005

【映画】太った男と痩せた男

太った男と痩せた男(デブとヤセッポチ)
原題:The Fat and the Lean / Le Gros et le Maigre(1961)フランス

「戦場のピアニスト」「ローズマリーの赤ちゃん」「水の中のナイフ」など傑作映画を多数発表。私生活では少年時代にユダヤ収容所へ送られ>>>移住先米国で過激派に身ごもった妻を虐殺される>>> 13歳の少女レイプ疑惑で米国を追われるなど波瀾万丈の人生を送って来た天才(天災)映画監督・脚本家・演出家・俳優 ロマン・ポランスキー。

彼が長編映画を撮る前に制作した3つのモノクロ短編作品。そのなかのひとつが“デブとヤセッポチ”である。デブでイスに座ったままのご主人と逃亡に失敗して山羊とつながれるヤセッポチな召使いのシュールなやりとりの中に、詐取する者と詐取される者の関係をモダンジャズ、シュールでコミカルな演出とキツイ風刺で描いた作品だ。

独裁者と市民の関係。他人が簡単に踏み込んで何とかなる問題では無い。この時期だからこそ観て頂きたい作品でもある。(2003/3/22 関心空間登録・一部修正)

評価:★★★★☆ 4

【映画】チキ・チキ・バン・バン

チキ・チキ・バン・バン・
チキ・バン・バン〜♪

1968年 MCM
原題:Chitty Chitty Bang Bang
制作:アルバート・R・ブロッコリ
原作:イアン・フレミング
監督:ケン・ヒューズ
脚本:ロアルド・ダール
主演:ディック・バン・ダイク

子供時から好きな映画。最初に原作を読んでもらってから観たので色々違うなと感じたりしましたが、今考えると映画は楽しい。原作はドキドキする感じでした。ちなみに原作ではチキチキバンバンは緑色です。

制作:アルバート・R・ブロッコリは007のプロデューサー。
原作:イアン・フレミングは007の原作者。
監督:ケン・ヒューズは007カジノロワイヤル(名作)の共同監督(日本では不当に評価低いと思う)
脚本:ロアルド・ダールは007は二度死ぬの脚本家(超人気作家ですね)

そう 映画チキ・チキ・バン・バンは007のスタッフが手がけたミュージカル映画なのです。もちろん007以外でも前出のスタッフは超一流。メリーポピンズのディック・バン・ダイクを起用したことがミュージカル映画としての精度を高めています。そしてこの映画の主役チキ・チキ・バン・バンは海を渡り、空を飛ぶ。うん?なんだこれってボンドカーじゃん。今見返してみると英国ブラックユーモアも満載。理屈なんか関係なしな部分も007ぶり満載な作品です。っというわけで007好きには是非ともチェックして頂きたい映画なのであります。

P.S.本日子供に見せたのですが最初にナレーションもなく始まるカーレースシーンを不思議がっておりました。その後は映画に引き込まれていましたが、親として心配になりました。遊戯王や王子様に慣らされた身には辛いのか?ちょっと見せる番組考えないといけないなぁ。

こちらで当時の予告編が観られます(2003/2/9 関心空間登録)

っと映画自体は☆5だがDVDは左右をトリミングされているので-1。

評価:★★★★☆ 4

Thursday, June 24, 2004

【小説】ママがプールを洗う日

ママがプールを洗う日

ピーター・キャメロン:著
山際淳司:訳

ピーター・キャメロンの短編集。久々に本棚から取り出し読み返しました。秀作です。ピーター・キャメロンの過剰な繊細さと故山際淳司の爽快感ある訳が本当に巧く相乗効果を出しています。日常的にある当事者だけの不幸。他愛の無いことにイジケるキャメロンの描写を山際は80年代のサリンジャーと表しており当時「けっ!」と思ったのだけれども今読み返すと「そうだね。軽薄な時代のサリンジャーかもね」と思えてくるから不思議なモノです。まぁサリンジャーの悩み自体、時代に関係なく「軽薄なイジケ」そのものなんですが。

評価:★★★★☆ 4

Sunday, March 23, 2003

【映画】わんぱく離婚同盟

発売元:ヘラルド・エース1991年 地域:フランス

原題:GENIAL, MES PARENTS DIVORCENT!

監督: パトリック・ブラウデ
製作: アンヌ・フランソワ クリストファー・ランバート
 シリル・ド・ルーヴル クリスチャン・シャ
脚本: パトリック・ブラウデ
撮影: ティエリー・アルボガスト
音楽: ジャック・ダヴィドヴィッチ

出演: アドリアン・ディラン
 ジャンニ・ジャルディネッリ ヴォロディア・セール
 ジェニファー・ローレ パトリック・ブラウデ

90年当時 フランスの離婚率は50%だったそうです。その事実を受け子供の立場から風刺したのがこの映画。邦題は「わんぱく戦争」「わんぱく旋風」「マルセルのお城」など子供主演映画で有名なイヴ・ローベルから拝借したのだろう。実際の映画自体も「わんぱく~」名に恥じないノリである。

主人公の小学生ジュリアンはフランス南部地方に住んでいる。彼の通う学校では親が離婚している子供たちを離婚していない子供たちが差別していた。当初は離婚していないグループだったジュリアンだったが両親が離婚してしまいグループを追い出されてしまう。迫害される身になった彼と仲間は少数派。旗色が悪すぎる。「そうだ。みんなの両親を離婚させ仲間を増やそう!」(笑)
主軸はこんな感じで、そこにジュリアンへ恋心を寄せる担任教師の娘との恋の行方を「小さな恋のメロディ」チックに絡めたオッシャレさとフランス的キツさをかね揃えた作品です。

「わんぱく旋風」のような小生意気で愛くるしい子供映画が好きな人にはど真ん中ストライクな映画だと思います。おすすめ!

しかし「わんぱく旋風」「トリュフォーの思春期」といい、フランス傑作子供主演映画はなぜDVDにはならないのかなぁ…(東京恵比寿ガーデンプレイスのTSUTAYAには置いてありました)

評価:★★★★☆ 4

Wednesday, February 26, 2003

【映画】蜜の味

「ナック」の主演女優リタ・トゥシンハムが主演デビューした魅力満載の映画。

蜜の味 (1961/英) A Taste of Honey
製作・監督:トニー・リチャードソン 脚本:トニー・リチャードソン / シェラ・デラニー 原作:シェラ・デラニー 撮影:ウォルター・ラサリー 音楽:ジョン・アディソン

出演:リタ・トゥシンハム(ジョー) / ドーラ・ブライアン(ジョーの母親) / ロバート・スティーブンズ(ペーター:母親の再婚相手) / マレー・メルビン(ジェフリー:ゲイ少年) / ポール・ダンカン(ジミー水兵:ジョーの恋人:黒人)

1960年に上演されたブロードウェイ・ミュージカルを「トム・ジョーンズの華麗な冒険」「ホテル・ニューハンプシャー 」などを手がけたトニー・リチャードソン監督が映画化。

ミュージカル用に作られた同名の主題歌は1963年にビートルズのファーストアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」にカバー曲が収録。また1965年にはハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスのカバーがグラミー賞を獲得。

【ストーリー】恋多き母親ヘレンと娘のジョー(14~15くらいか)。ジョーは学校では変人あつかいされ、母親ヘレンの恋人ピーターとも折り合いが付かない。そんなジョーが心を許したのはマンチェスターへ寄港した船の黒人水夫ジミーだった。ヘレンはピーターに馴染めないジョーと対立。再婚するために出て行ってしまった。ジョーが恋するジミーは水夫。やがて彼の乗った船は港を去ってしまったのであった。一人ぼっちになってしまったジョーは靴屋の売り子として働き始める。そして店で知り合ったゲイである少年ジェフリーと友達になる。彼は非常に繊細で大ざっぱなジョーの世話をする。やがて共同生活を始めたジョーとジェフリー。不思議な共同生活の中、ジョーは自分がジミーの子供を宿してしていることに気付く。ジェフリーは一緒に子供を育てようと提案するがジョーは情緒不安定に…

っと言う感じで書き出すと非常に暗い内容である。この時代に得体の知れない黒人の子供を宿すことなど映画でもさぞ過激だったろうに。

しかしジョー役は「ナック」で知られたリタ・トゥシンハム。彼女の醒めた子供の目と体から醸し出される眠たいオーラー、トニー・リチャードソン監督の目線と洒落た音楽で映画は思春期独特の切なさや悩みを優しく包み込んでいる。

あまりレンタルビデオでも置いていない作品だがハッキリ言って名作だと思う。英国の白黒映画にも知られていない良い作品は沢山あります。

池田博明氏による論評

評価:★★★★★ 5

2003/2/26 関心空間登録に加筆(英国ではDVD出たし日本でも出ないかなぁ)